電子的ヒトリゴト

ゲイのブログ。主に読書、心理学、SOGI、日記など

心理学

『人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学』

集団において、人は個人のまんまの性質ではなくなります。すなわち、集団特有の心理的なプロセスが働くのです。その中の1つの現象として、社会的手抜きが知られています。社会的手抜きとは、「個人が単独で作業を行った場合にくらべて、集団で作業を行う場合…

エゴレジ!『「エゴ・レジリエンスで」でメゲない自分をつくる本』

エゴ・レジリエンスとは エゴ・レジリエンスをご存知でしょうか。最近、レジリエンスという言葉は知名度があがっているような感じがします。それにエゴ(自我)がくっついた言葉です。エゴ・レジリエンスは、アメリカの心理学者ジャック・ブロックによって提…

動機づけを高める方法の収集

動機づけを高める方法およびその周辺的な知識の収集を試みます。その質については、実証的なエビデンスがなくとも(または、私が適切なエビデンスを提示できなくとも)私が有用であると判断したものを載せます。なるべく本や論文において、研究者のいうこと…

これは願望の達成に使える『成功するにはポジティブ思考を捨てなさい 願望を実行計画に変えるWOOPの法則』

すごい本を読みました。 タイトルは自己啓発本のようですが、科学的手法に基づいている心理学の一般書です。著者は、ガブリエル・エッティンゲンという心理学者です。自己啓発本でよくいわれるポジティブ信仰をぶったぎっていて痛快でした。 成功するには ポ…

心理学ワールド/LGBTとカミングアウト

www.psych.or.jp 図書館になかったので、心理学ワールドという機関誌の存在を知らなかったです。この機関誌は、心理学研究者に限らず、一般読者を想定しているだけあって、各記事のタイトルが面白そうですね。 今回は、その中でも、石丸さんの記事を読みまし…

『思いやりの人間関係スキル』がすごい。

前回の記事で少し紹介したのですが、非常によい本を見つけました。その後、僕にしては珍しく長い時間をかけて熟読しました。おそらく今後も頻繁に参考にし続けます。何回も読む価値がある、そういう本です。この本は、上記の記事で知りました。 思いやりの人…

『謝罪の研究――釈明の心理とはたらき――』

謝罪の研究―釈明の心理とはたらき (人文社会科学ライブラリー) 作者: 大渕憲一 出版社/メーカー: 東北大学出版会 発売日: 2010/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 釈明の4種類 誰しもが一度は謝罪したことがあると思います。謝罪は釈明の1つ…

自分をさらけ出すことへの恐怖

家族心理学のテキストを読んでいて、ふと思った。 テキストによると、独人の若い成人期は、その後の何十年にもわたる家族生活の土台づくりの時期にあるという。ここでいう家族とは、伝統的な家族だけでなく、広義の家族を指す。そこで、独身の成人期には、い…

ゲイアイデンティティの発達と心理社会的well-being

Halpin & Allen (2004)は、心理社会的な変数とゲイアイデンティティの発達について調べました。ゲイアイデンティティの発達の程度の指標として、Cassのモデルに基づいた尺度が用いられています。また、仮説は、心理社会的な変数とアイデンティティの発達には…

カミングアウト成長

カミングアウト成長(coming out growth)というのがあるみたい*1。これは、ストレス関連成長(stress-related growth)に関係する概念で、カミングアウトに伴う成長を表している。それに関連する先行研究として、オープンであることとメンタルヘルスの良さ…

ジェンダー自尊心と同性愛者に対する態度

今回は、ジェンダー自尊心と同性愛者に対する態度について、ちょっと紹介します。偏見について書きますので、読む人によって、気分を悪くしてしまう可能性があります。ご注意ください。 ・ジェンダー自尊心とは ジェンダー自尊心(gender self-esteem)は、…

人を本当に変えるのは

Eテレの『ねほりんぱほりん』を見た。この番組は、普段テレビに出なような、そして、私たちが普段接さないような人たちが人形として出演し、本音を語る番組だ。僕は番組が初期のころから見てて、面白いなあと思っていたのだが、途中で番組が終了した。その後…

影響力における6つの武器

今回は、心理学研究に裏づけられていながら、ビジネス書としても人気の『影響力の武器』を取り上げます。この本については、たくさんの方が言及しておられていて、web上に良質な要約の記事があるので、今更長々と語る必要もないでしょう。 影響力における6つ…

『恋ごころの科学』

恋愛に関する社会心理学の本 恋ごころの科学 (セレクション社会心理学 (12)) 作者: 松井豊 出版社/メーカー: サイエンス社 発売日: 1993/08/01 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 4回 この商品を含むブログ (4件) を見る 本書は、社会心理学に基づいた恋…

ノスタルジアの機能

僕は、ノスタルジアという感情に注目しています。なぜか分かりませんが、僕はノスタルジアによく惹かれるからです。そこで、今回はノスタルジアの機能についてちょっと紹介します。なお、ノスタルジアは、郷愁のような感じです。 ノスタルジアの機能 海外の…

キャリア・アンカー:一人ひとりの根底にある大切にしたいテーマ

出典 金井 篤子 (2007). キャリア発達 山口 裕幸・金井 篤子 (編) よくわかる産業・組織心理学 (pp.76-96) ミネルヴァ書房 内容の解釈 キャリア発達の中でも、今回は”キャリア・アンカー”を取り上げます(p.85)。 キャリア・アンカーはシャインによって提唱…

本来的な人々の7つの性質

出典 内容の解釈 心理学者のジョセフさんは、本来的な人の特徴として以下の7つを挙げています。 1.現実について現実的な認識を持っている。 2.自分と他人を受け入れている。 3.思いやりがある(思慮深い)。 4.敵意のないユーモアのセンスを持ってい…

人間関係でやる気があがる?

出典 岡田 涼 (2010). 人との関わりとやる気 伊藤 崇達 (編) 改訂版 やる気を育む心理学 (pp.102-129) 北樹出版 内容の解釈 自律的なやる気を育むために、他者との関係性が大切であると主張されています。 自律的なやる気における他者との関係性には、主に2…

聴くことの大切さ『新版 人づきあいの技術――ソーシャルスキルの心理学』

はじめに 人づきあいの技術―ソーシャルスキルの心理学 (セレクション社会心理学) 作者: 相川充 出版社/メーカー: サイエンス社 発売日: 2009/10/01 メディア: 単行本 クリック: 30回 この商品を含むブログを見る みなさんは自分のソーシャルスキルに自信はあ…

腐女子と同性愛『腐女子の心理学』

はじめに 腐女子の心理学 彼女たちはなぜBL(男性同性愛)を好むのか? 作者: 山岡重行 出版社/メーカー: 福村出版 発売日: 2016/06/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る この頃、BLが大衆化していっているように感じる。本屋にいけばBLのコ…

ステレオタイプはどのように維持されるか『ステレオタイプの社会心理学』

ステレオタイプの社会心理学―偏見の解消に向けて (セレクション社会心理学) 作者: 上瀬由美子 出版社/メーカー: サイエンス社 発売日: 2002/03/01 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 31回 この商品を含むブログ (3件) を見る 本書は、ステレオタイプに関…

同性愛者の生きている世界『同性愛者における他者からの拒絶と受容』

同性愛者における他者からの拒絶と受容―ダイアリー法と質問紙によるマルチメソッド・アプローチ (シリーズ・臨床心理学研究の最前線) 作者: 石丸径一郎,下山晴彦 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房 発売日: 2008/03 メディア: 単行本 クリック: 8回 この商品…

セルフコンパッションの実践例

現在、困難な事態の中でセルフコンパッションを実践しようと試みていることを、昨日述べた。本記事では、より具体的かつ実際的に日常生活の中にセルフコンパッションの実践を取り入れるために、その実践例を列挙していく。各文献において、重複しているエク…

皮肉なことに

最近,精神的な疲労がたまることが続いている。その結果,ネガティブな思考の反芻,他者の皮を被った自己批判,孤立感などが生じている。ああ・・・,セルフコンパッションにおける3要素の逆転項目だ。つまり,セルフコンパッションを高めれば,それらは和らぐ…

内向性は欠点ではない/『内向的な人こそ強い人』

内向的な人こそ強い人 作者: ローリーヘルゴー,Laurie Helgoe,向井和美 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/02/28 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 私は漠然とした生きづらさを感じている。それが何なのか。私がセクシュアルマイノリ…

自尊感情よりセルフコンパッションを高めよう/『セルフ・コンパッション あるがままの自分を受け入れる』

セルフ・コンパッション―あるがままの自分を受け入れる 作者: クリスティーン・ネフ,石村郁夫,樫村正美 出版社/メーカー: 金剛出版 発売日: 2014/11/26 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 一般的に,高い自尊感情はメンタルヘルスの向上をもたら…

社会心理学者からみた茶道/『心理学者の茶道発見 癒しと自己の探求』

心理学者の茶道発見―癒しと自己の探求 作者: 岡本浩一 出版社/メーカー: 淡交社 発売日: 1999/06/01 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る 私は茶道が好きだ。実のところ,高校時代に私は茶道部に入っていた。しかしながら,残念なこ…

姿勢が心に及ぼす効果/『動きが心をつくる 身体心理学への招待』

動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書) 作者: 春木豊 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2011/08/18 メディア: 新書 購入: 5人 クリック: 28回 この商品を含むブログ (18件) を見る 身体心理学。それは、心と身体は繋がっているという考え方…

研究したいテーマを決めた

先日、研究したいテーマに関して大きな枠組みを定めた。それは、動機づけである。英語でいえばモチベーション。日常でいうところの、やる気とは少し違うが、それに近い。動機づけの中でも、特に自律性に興味がある。しかし、何をどうするかは詳細には決まっ…

メンタルモデル?

私はポッキーを食べようと思い、袋を開けた。ポッキーといえば、片側にはチョコレートがついていない。つまり、そこが持ち手になっているのである。そして袋を開けるときは、取り出しやすいように持ち手側の方を開けるのが普通である。しかし、私はミスを犯…