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電子的ヒトリゴト

心理学部の大学生ブログ

<読書>大きな流れの中で生きている/『君たちはどう生きるか』

読書など

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感動的な物語

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

君たちはどう生きるか (岩波文庫)

 

 そこで、最後に、みなさんにおたずねしたいと思います。――

 君たちは、どう生きるか。(p.299)

   コペルくんの成長を喜ぶとともに、目頭がじんと熱くなった。その余韻に浸りながらまぶたをそっとおろし、「私はどう生きるのだろうか」と自問した――。

  本書は、コペルくんという男の子の精神的成長を記録したメッセージ性の強い物語である。起こった事件やコペルくんの心情に「うん、うん」と強く共感しながら読んだ。

 

人類の歴史という流れ

第一に君は、今まで君の眼に大きく映っていた偉人や英雄も、結局、この大きな流れの中に漂っている一つの水玉に過ぎないことに気がつくだろう。(p.186)

 作中においてコペルくんは、人間は分子のようなものだと気づいた。それは過去や未来の人間も例外ではない。つまり生まれては死んでいく1人では無力な人間の重なりが時間的かつ空間的な集合体を作っているのである。「この流れにしっかりと結びついていない限り、どんな非凡な人のした事でも、非常にはかないものだということを知るに相違ない」と続く。

 私は人類を1つのチームだと思っている。それは私がカウンセラーを志す理由にも関係していて、「私がいま若者として授かっているバトンを、着実に次の世代へと渡してあげたい」と考えたりする。・・・・・・なんとも陳腐な言葉ではあるが。

 生きる意味とか現代では答えのでないようなものを、悠久な未来においてきっと解決してくれるのではないだろうかと淡く期待している。そのような解決に至るために、現在のこの大きな流れを絶やすことなく、発展させることが現時点における私たちの生きる意味に繋がるのだと暫定的に思う。