電子的独り言

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倫理学がたずねるもの『倫理学入門』

 

倫理学入門 (放送大学教材)

倫理学入門 (放送大学教材)

 

  倫理学に漠然と興味がある。何が善くて何が悪いのか。子供の頃には、大人はそんなことをすべて知っていて、完璧だと思っていた。しかし、違った。物事の多くは、善い面も悪い面もあり、現代のたくさんの偉い人が考えても絶対的な答えはでない。そのような中で、昔の哲学者たちはどう考えていたのか、に僕は興味があるのだ。

 では、倫理学とは何か。本書では、「倫理学がたずねるもっとも基本的な問いは、『人間とはなにか』という問いである」と説明されている。それに答えるために、昔から人間を定義しようと試みている。たとえば、プラトンは「羽のない、二本足の、平たい爪をもつ動物」というように人間を外形によって定義しようとしている。しかし、その後、パスカルは「人間は二本足を失うことで人間性を失いはしない」と批判している。はたして、その人間性とは何だろうか。

人間性の二義性

 本書によると、「人間性」は辞書的な意味が2つあるという。1つは「人間としての本性」の意味であり、もう1つは「人間らしさ」の意味である。人間としての本性は英語で human nature であり、人間らしさは inhumanity に対立する概念である。人間は、前者を失うことはないが、後者は失うことがあるとされている。そのため、「人間らしさ」は、「人間の本性」と違って、人間についての一種の価値規定を、すなわち倫理的な価値規定を含んでいる。このことから、倫理学が問い求めているのは、「人間らしさ」としての人間性であり、それが人間のどこに成り立つのか、ということなのだいう(p.19)。