電子的独り言

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腐女子と同性愛『腐女子の心理学』

 はじめに

腐女子の心理学 彼女たちはなぜBL(男性同性愛)を好むのか?

腐女子の心理学 彼女たちはなぜBL(男性同性愛)を好むのか?

 

  この頃、BLが大衆化していっているように感じる。本屋にいけばBLのコーナーがあるし、腐女子という言葉もよく耳にする。最近では腐男子も増えているようで(顕在化しただけか?)、腐男子をメディアでも目にする。何がそんなに彼ら・彼女らを魅了しているのだろうか。私もBLをたまに見るが、おそらくそれは腐女子・腐男子がBLを見る視点と違ったものであろう。そこで、以下よりそれについて言及する。なお、本書の中では腐女子を「BL作品やBL妄想を好む人物」と定義づけている。この中には便宜上、BL作品を好む男性(腐男子)も含まれている。

 

命がけの純愛物語?

 恋愛物語に対する腐女子の態度を調査したところ、腐女子は”命がけの愛”を好むことがわかった。それは「愛のために自分のすべてを犠牲にするような物語に強い魅力を感じる」(p.174)ことを意味する。そしてBL作品は登場人物が男性同性愛者ではなく男性異性愛者であることが多い。なぜなら、男性異性愛者同士のBLは命がけの純愛物語を生み出しやすいからである。すなわち、「同性愛者ではない自分が同性に抱いてしまった愛情、自分を受け入れてくれる可能性が非常に低い男性異性愛者に対する男性同性愛者の愛情、このような葛藤を乗り越えるところに腐女子は純愛を見出し感動する」(p.173)のである。また、異性愛者同士のBLは、異性愛者と同性愛者のコミュニティのどちらにも留まれず、世界の中で二人ぼっちであることも指摘している(p.174)。

 この結果からすると、「同性愛者ではないが、お前だから好きになった」、そして「そのためには何でも犠牲にする」というようなものが腐女子にとって良いのだろう。私はBLをたまにみるが、たしかに上記のような展開は結構あるような印象を受ける(たまにしか見ないので実際はわからない)。

 

同性愛許容度

 BLは男性異性愛者同士が多いと上述した。そうはいっても現実の同性愛に対して腐女子は許容的らしい。以前の記事で男性より女性の方が同性愛に対して受容的だと述べた。本書では、腐女子群はオタク群や一般群と比べて同性愛に対して許容的であることを調査によって示している。その理由として、腐女子は作品内だけでなく、現実場面でもBLを妄想するため、現実場面でそのような視点が多くなれば、現実場面での同性愛許容度が高くなると著者は解釈している(p.33)。ただし、「現実男性のBL妄想は腐女子群すべてに認められる現象ではなく、腐女子群の中でも特に腐女子度の高い者に特有の現象であるようだ」(p.191)とその後の研究で考察している。

 同性愛に対する態度に関して、以上を統合すると、一般的に男性より女性の方が同性愛に対して受容的であり、さらにその中でも腐女子はより許容的であるといえるだろう。そして、腐女子のそれは、異性愛者のBLだけでなく、男性同性愛者に対しても適用されると思う。