電子的ヒトリゴト

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聴くことの大切さ『新版 人づきあいの技術――ソーシャルスキルの心理学』

 はじめに

人づきあいの技術―ソーシャルスキルの心理学 (セレクション社会心理学)

人づきあいの技術―ソーシャルスキルの心理学 (セレクション社会心理学)

 

  みなさんは自分のソーシャルスキルに自信はあるだろうか。ソーシャルスキルとは、簡単にいえば、「ほかの人に対する振る舞い方やものの言い方」(p.7)のことである。私はソーシャルスキルが低い。すなわち、表面的にしても人と上手に付き合うスキルが低いのだ。しかし、本書ではソーシャルスキルは運動スキルと同じで、練習次第で身につくという立場に立っている。以下のように述べている。

 最初は対人的な対応が下手であっても、練習を重ねれば上手になり、ついには細かいステップを意識せずに自動的にできるようになるのです。(p.12)

 著者の相川充さんはソーシャルスキルの研究者であり、「引っ込み思案な私は、スキルで人間関係が何とかなるというソーシャルスキルの考えに救われました」と言っている。では、具体的に何を練習すればよいのか。私が一番重要だと感じた聴くスキルについて触れる。

 

人の話を聴くスキル

  まず、私たちはコミュニケーションのために聞くことに一番時間を費やしているという(p.23)。聞くこと(約45%)、話すこと(30%)、読むこと(16%)、書くこと(9%)(スミス、1986)。次に、聴くこと(聞くことではない)の機能として、情報を得ること、相手に社会的報酬を与えること、相手との関係を安定させることの主な3つを挙げているが、割愛する。すなわち、それだけ聴くことは大切であるということだ。

 そして、人の話を聴くためには、受容的な構えにすべきだと述べる。なぜなら、競争的な構えなどをとると、相手の話を歪曲して理解してしまうからである*1。だから、同意するかどうかは別にして、とりあえず相手の話を最後まで受容的に聴くのが大切なのである。そのための心構えとして以下の5つを挙げている。

1 相手の話を途中で遮らない

2 話題を変えない

3 道徳的判断や倫理的非難を途中でしない

4 話し手の感情を否定しない

5 時間の圧力をかけない

  今回、聴くスキルについて具体例を挙げながら触れたのは、自戒の意味もある。私は概して聴くことの重要性を忘れることがある。自分の話を言うために、相手の話を利用してしまうのだ。それじゃあ、その相手と話している意味はあるのか。ブログに書いた方が適切? 話を奪わず、否定せず、とりあえず最後まで相手の話を聴く。言葉にしてしまえば、こんなに簡単にもかかわらず、実際になると難しい。相川さんは「聴くことは、人間関係を形成するための初歩的なスキルであると同時に最終的なスキルです」と言っている。当面は、聴くことを人間関係に関する私の目標とする。

*1:このことを選択的知覚(selective perception)が起こるといっている