電子的独り言

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ゲイアイデンティティの発達と心理社会的well-being

 Halpin & Allen (2004)は、心理社会的な変数とゲイアイデンティティの発達について調べました。ゲイアイデンティティの発達の程度の指標として、Cassのモデルに基づいた尺度が用いられています。また、仮説は、心理社会的な変数とアイデンティティの発達には、線形的な関係があるというものでした(つまりゲイアイデンティティが発達すれば心理社会的な適応度があがるってことですかね)。

 実際の調査の結果は、ゲイアイデンティティの発達との関係において、人生に対する満足感などがU字型で、孤独感が逆U字型でした(図1)。これは仮説とは異なり、ゲイアイデンティティが未熟な状態は、中途半端に発達した状態と比べて心理社会的にあまり不適応的ではないことを意味しています。一方で、ゲイアイデンティティがかなり発達した状態では、予想通り適応的でした。

 

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図1 GIQ下位尺度と従属変数の相関(Halpin & Allen, 2004, p.120, FIGURE2)

 

 この結果について、Halpin & Allen (2004) は次のように言っています。

 これら結果は、アイデンティティの混乱や比較検討という最初の段階の間において、新たに生じるセクシュアルアイデンティティへの意識の欠如が実質的に守っているように解釈できるかもしれない。つまり、これらの人々にとって、知らぬが仏なのである。あるいは、これらのステージはクローゼットの人を含んでいるかもしれない。これらのステージでは、個人が自分の発達しているセクシュアルアイデンティティを他人に明かすというプロセスを始めておらず、アイデンティティの管理や隠匿、選択的開示を通して、直接的な敵意やそれに伴うストレスを避けている。もう1つの可能性は、次のステージにおける社会的な開示に付随するストレスの不在の中で、いくつかの人が新しく生じるアイデンティティについて興奮や楽観を感じていることかもしれない。

 

感想

 ん~。この結果は、直感に反する・・・。僕自身、あまり詳しくないので、変なことはいえないのですが・・・。また、この結果は、さまざまな要因が影響していることやCassの理論が現代にどの程度通用するかわからないこともあり、妄信しすぎるのではなく、参考程度に覚えておきたいと思いました(すべてにいえることですが)。

 

<引用文献>

Halpin, S. A., & Allen, M. W. (2004). Changes in psychosocial well-being during stages of gay identity development. Journal of Homosexuality, 47, 109-126.