電子的ヒトリゴト

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内在化されたホモフォビアと人間関係の質

メモ。Frost, D. M., & Meyer, I. H. (2009). Internalized homophobia and relationship quality among lesbians, gay men, and bisexuals. Journal of Counseling Psychology, 56, 97-109.

 過去の研究において、内在化されたホモフォビア(internalized homophobia)の程度が、人間関係の質に影響することが示されていたようです。たとえば、恋愛関係において内在化されたホモフォビアが低いゲイより高いゲイは親密な関係にいない傾向があったり、パートナーとの問題を報告しやすい傾向があったりします。また、恋愛関係ではない関係においても内在化されたホモフォビアの高さは孤独に関係したりなど、いろいろ人間関係の質が悪くなってしまうようなのです。

  研究者間で、内在化されたホモフォビアは何から構成されているのか、関連する概念とどう違うのか、についての一致した見解はなかったようです。たとえば、人によっては、内在化されたホモフォビアの要素に、カミングアウトの程度やLGBコミュニティへの関わり、抑うつ、自殺念慮、未来に対する絶望などが含まれていました。一方で、マイノリティストレスモデル(minority stress model)というのがあり、そのモデルでは、内在化されたホモフォビアとカミングアウトの程度、コミュニティへの関与、抑うつを別々に考えています。Forst & Meyer (2009) は、上記の概念の一貫性のなさを考えると、内在化されたホモフォビアが人間関係の質にどのように関連しているかを理解するためにマイノリティストレスモデルを適応することは重要であるといいます。カミングアウトの程度に関していうと、安全ではない状況で性的指向を隠すことは環境的制約への健康的な適応のサインであり、内在化されたホモフォビアの指標と考えるべきではないと言っています。

 この研究では、内在化されたホモフォビアと人間関係の質の関連性について調べました。その際、上記の概念を別々に測定しました。そのとき使用された内在化されたホモフォビアの尺度は、LGBの人が自分の性的指向を拒否する程度や自分の同性に対する欲求についての不安の程度、同性の魅力や性的な気持ちを避けようとする程度を測定しました。たとえば、その尺度の項目として「自分がゲイじゃなかったらなあとどのくらいの頻度で願うか」、「ゲイであることは個人的な欠点であるとどのくらいの頻度で感じるか」などがありました。その後、測定されたデータに対して構造方程式モデリングを行った結果、人間関係の問題や負担に対する内在化されたホモフォビアの効果は抑うつ症状によって媒介されることが示唆されました。