電子的独り言

ゲイのブログ。主に読書、心理学、セクシュアリティ、雑記など

『しまなみ誰そ彼 3』

以下に、少しネタバレがありますので、ご注意ください。 

 

 『しまなみ誰そ彼』の3巻を読みました。発売したばかりです。ついでに、以前読んだ2巻の感想も少し書きます。以前に1巻に関してブログに書きました。

 2、3巻の感想を軽く書きます。

しまなみ誰そ彼 2 (ビッグコミックススペシャル)

しまなみ誰そ彼 2 (ビッグコミックススペシャル)

 
しまなみ誰そ彼 3 (ビッグコミックススペシャル)

しまなみ誰そ彼 3 (ビッグコミックススペシャル)

 

 

 このマンガの内容について軽くいうと、高校生のゲイの少年の話です。心情がリアルなのです。吸い込まれるように読みました。

 2巻では、ゲイの少年(たすく)と、たすくの好きな人(椿くん)の距離感が微妙に縮まっていくのを喜ばしく思う一方で、たすくがゲイであると椿くんが勘づいている場面もあって、ハラハラドキドキです。それと同時に、美空さんという方がいるのですが(おそらくセクシュアルマイノリティ)、この人をたすくは何気ない一言で傷つけてしまいます。善意で何気ない一言をかけたので、たすくの気持ちもわからなくはないです。

 さて、3巻では、たすくと椿くんの距離が一気に縮まりました。このときの椿くんがめちゃ怖いです。椿くんはたすくに向かって、「小学生の女の子にホモ野郎とかののしられてんの、すごい光景だったよ。花火のことごっそり忘れたもん、あれ!」とか言ってしまうのですよ。しかも、その後に、今まで椿くんはたすくのことを名字で「要くん」と呼んでいたのに、急に「なあ たすく。(中略)ちょうど明後日近くの造船所で潜水式やるんだよ。一緒に撮りに行かない?」とか、2人で外出することを提案するのです。もう意図がわからなくて、怖いです(^-^;) 最後のほうで、椿くんはセクシュアルマイノリティに対して怒ります。それを受けたたすくは、椿くんに怒り返します。たすくは、自身がゲイであることも椿くんが好きであることも打ち明けてしまいます。その後、椿くんは涙を流し始めます。そのことに関して、たすくは「抱えた辛さがあるのだということはわかった気がする。いらいらして不安でどうしたいかもわからなくて、あれは、あの涙は、少し前のあの夏の日の僕のようだったから」と独白します。このことと、椿くんが過剰にセクシュアルマイノリティに反応するのをみると、何かあるような気がしますね。実は本人がセクシュアリティに関する潜在的な悩みを持っていて、それに対する防衛としての過剰なフォビアという結果も予想しますが、現実的という観点においてどうなのだろうとも思います。

 あと、文脈の説明は省きますが、小山さんをめぐる対応について、内海さんや大地さんは敵意のない気持ちで正面から指摘してあげたり、内海さんや大地さんの自身の気持ちを正直に伝えたりしたほうがよいと僕は考えました。そうはいっても、本文中にもあるように、お互いが傷つくという覚悟があってのことです。そのため、口でいうようにそう簡単にはできませんが、何も言わずに「あの人はわかっていない」と不満を持って切り捨てるのも何か対等ではないような気がしました。

 そのほかにも、セクシュアルマイノリティに関する問題において、自身との、また、周囲との葛藤が表れているエピソードは非常にためになります。どうすればよいのだろうね~、自分自身はどうかなあ、という気持ちになります。

 たすく少年も椿くんもかわいいです。本漫画は非常にオススメです(^-^)