電子的独り言

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「性的マイノリティの子どもたち」が日常を送るうえでの4つの困難

村田 晶子 (2015). 大学におけるセクシュアルマイノリティ学生への対応をめぐる課題についての考察 早稲田教育学研究, 6, 5-18.

 

 孫引きになって申し訳ないのですが、上記の論文の中で、以下の記述があります。

小宮(2002)*1は、「性的マイノリティの子どもたち」が送る日常を、ゲイ雑誌を分析することで明らかにし、そこにある困難を次の4つに分けてとらえて語っている。

1.自己受容の困難 家庭、学校、地域、メディア等当事者を取り巻く総体が異性愛を前提として成り立っているために、自分自身を同性愛であると気づいても受け入れがたいと言う状況に置かれてきたということ。

2.自己開示の困難 同性愛である性的自己を開示できないために友だちとの関係の深化が困難な場合が多い。

3.自己イメージの困難 異性愛者の場合、ロールモデルに出会いながら自身の将来像を構築していくが、同性愛の場合、そうしたロールモデルに出会うことがほとんどできないために将来の自己イメージを構築しにくい。

4.事故回避の困難 同性愛であると気づいた時点で社会的に孤立無縁な状態におかれてしまう。そのため、「事故(思いがけず起こった悪い出来事)を回避することが、著しく困難な状況に置かれている」という。

 そして、こうした困難はゲイ男性に限らずレズビアンやトランスジェンダーなどのセクシュアルマイノリティにも当てはまるのではないかと指摘している。

 つまり、ゲイ雑誌を分析した結果、(たぶん)ゲイは、①自己受容の困難、②自己開示の困難、③自己イメージの困難、④事故回避の困難という4つの困難を経験するということなんですかね。

 今(現在2017年)から15年以上も前のことですが、今でも当てはまるなあという感じがします。僕に関していうと、自己受容の困難の大きな波は乗り越えた感じがしますが、現在経験しているのが自己開示の困難です(^^;)ただ、この困難がセクシュアリティではなく、僕のパーナリティに起因している可能性もあります。

 この4つの困難という考えは面白いなあと思いました。

 また、上記の論文自体は有益で、大学においてセクシュアル・マイノリティ学生に対してどのような対応をすればよいのかに関する方向性が書かれています。勉強になります。

*1:小宮明彦「性的マイノリティの子どもたちが直面する四つの困難」”人間と性”教育研究所編『同性愛・多様なセクシュアリティ 人権と共生を学ぶ授業』子どもの未来社、2002