電子的独り言

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ゲイカップルのワークライフバランス

 

ゲイカップルのワークライフバランス―同性愛者のパートナー関係・親密性・生活

ゲイカップルのワークライフバランス―同性愛者のパートナー関係・親密性・生活

 

 

 興味深い本を読んだ。タイトルがかなりそそられる。表紙もそそられる。

 まあでも、著者の博士論文をベースとした学術書のようなので、小難しい話が出てくる。そのため、僕の理解度はかなり低いけど、それでもマア面白かった。

 内容的には10組のゲイカップルに対する半構造化のインタビュー。質的な研究ですね。また、調査は2007年から2010年で、約10年前だけど、パートナー関係の質において、本書の調査結果は有用性を持ち続けているとしている。

 

 (今回、調査対象者となった)ゲイカップルの家計は独立性が高い。そのため、収入差があると生活水準に格差が生じることがあるみたい。

 あと、家事や余暇などの活動を共に過ごすときに、パートナー間で一体感が生じるみたい。これは、愛情と家族・仕事の結合である近代家族の特徴や愛情と家事・仕事の分離である「純粋な関係性」の特徴とも異なる関係性のタイプで、著者は「分かち合う親密性」と呼んでいる。

 

 個人的に印象深かった文章は、以下のものです。

 Lさんはパートナーの持ち家で同居しているが、同居を始める時にパートナーから毎月の生活費(「家賃」と呼ばれる)を支払う必要はないと言われた。しかし居候のような状態は気が済まず、相手を自分のパートナーと思えないという。またパートナーはLさんが仕事に就いていることをLさんの魅力の一つとして挙げている。つまり、収入の高い方が生活費を負担するのが当然という規範は共有されず、収入は低くても仕事に就くことが、パートナーから肯定的に評価されている。(p.109)

 前半の収入の高い方が生活費を負担するのが当然という規範は共有されずという部分、ちょっとニュアンスは異なるけど、『隣の家族は青く見える』の朔ちゃんの対等性を求めている感じと少し似てるなーと思った。

 

 日本のこういう研究は貴重だなーと感じた。

 

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